【瓦の種類ガイド】素材ごとに特徴がある!魅力や費用を紹介

瓦の素材別種類 ブログ

瓦屋根に使用される瓦に種類があることをご存知でしょうか。

素材や産地によっていくつもの種類に分けられるのです。

本記事では、瓦の素材ごとの種類について説明します。

粘土を瓦の形に焼き上げて作る「粘土瓦」

ツヤがあり色が長持ちする「陶器瓦」

陶器瓦

釉薬によって色を付けた粘土瓦を指し、釉薬瓦(ゆうやくがわら)とも呼びます。

最も一般的な瓦で、粘土で瓦の形を作ったあと釉薬と呼ばれるガラス質の薬剤を塗布して高温で焼いて作ります。

釉薬を塗るため瓦にツヤのある仕上がりとなります。

好みの色に仕上げることができ種類が多いことも特徴です。

また釉薬を塗ることで水を通しにくくなるため、耐水性に優れています。

瓦自体に雨水が染み込まず撥水するため、瓦の下のルーフィングが傷みにく傾向にあります。

長期間経過してもほとんど変色しないため、色やツヤを長持ちさせたい人におすすめな瓦です。

銀古美色の経年変化を楽しむ「いぶし瓦」

いぶし瓦

瓦の素地自体を燻化し、銀色~黒色になった粘土瓦を指します。

いぶし瓦は寺社の屋根に使われることが多い伝統のある瓦です。

上薬をかけずに窯の中でいぶすことによって、銀色~黒色の色合いを出しています。

この色合いは銀古美色とも呼ばれ、いぶし具合によって色が異なるため、均一な美しさは出しづらいものの瓦1枚ごとに風合いの異なる独特の美しさがあります。

また、いぶし瓦の銀色~黒色は窯の中でいぶされている間に付着する炭素膜の色です。

この炭素膜は瓦に色をつけるためだけでなく、瓦を雨水から守る機能も持っています。

ただし炭素膜は永久的に機能するわけではなく剥がれていくものであるため、維持するためには30~60年に1度は葺き直しが必要です。

経年による変色も楽しむなら、機能面でいえば必ずしも炭素膜の剥がれに合わせて葺き直しをする必要はありません。

経年変化を楽しむことができ、特有の風合いが好きでこだわりの強い方におすすめな瓦です。

いぶし瓦については、以下の記事でもさらに詳しくとり上げています。

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明るい赤みのある「素焼瓦」

素焼瓦

釉薬を塗らずにそのまま焼いている粘土瓦を指します。

釉薬を塗らないという点ではいぶし瓦と同じですが、炭素膜の色がつくいぶし瓦とは異なり粘土そのものの赤い色合いが出ます。

この明るい赤みが素焼瓦の最大の特徴と言えるでしょう。

ちなみに釉薬を塗らない粘土瓦を総称して「無釉薬瓦」と分類することもあります。

独特の赤みが洋風建築と相性が良く、南欧風の建物に合わせてテラコッタ瓦やスパニッシュ瓦と呼ばれることもあります。

薬剤や炭素が瓦に付着していないため軽量でトラブルが少ないうえ、安価です。

メンテナンス頻度が少なくて安価なものや、赤みのある屋根が好みの方におすすめです。

製造効率のいい「セメント瓦」

モニエル瓦

粘土ではなくセメントと水、砂で作られる瓦を指します。

粘土瓦と比べて瓦の角がギザギザと尖っていることが外見的特徴のひとつです。

セメント瓦はセメントの色をしているわけではなく、製造時に塗料で着色されます。

※稀にセメント自体に色をつけてから作るものもあります。

最大の特徴は製造効率の高さでしょう。

陶器瓦は焼く工程で想定以上に縮んでしまうことがあるため、破棄する瓦が多少発生してしまいます。

対してセメント瓦は焼かずに製造するためほぼすべての瓦が無駄なく使用できるのです。

そのため費用は比較的安価です。

しかし瓦の上から塗料を塗っているセメント瓦は、10~20年ほどで塗料が剥げてきてしまいます。

屋根の葺き替えとは別で塗料の塗り直しという修繕が発生するのです。

また耐久性がそこまで高くないにも関わらず重さがあるため、家屋全体に負担がかかりやすいです。

こういった理由から、近年では使用される機会が減ってきています。

素材別!瓦の費用相場

以下はそれぞれ1平米あたりの費用相場です。

陶器瓦は価格が1平米あたり5000~15000円と幅広く、予算に合わせた選択が可能でしょう。

いぶし瓦は高級品とされており、1平米あたり8000~18000円します。

素焼瓦は1平米あたり5000~9000円と安価な点も特徴です。

セメント瓦も同様に安価で、1平米あたり6,000〜8,000円が相場となります。

粘土瓦の大半が三大瓦のいずれか

現在流通している粘土瓦の大半が、愛知県三河地方、島根県石見地方、兵庫県淡路島のいずれかの瓦となっています。

この3つの産地で生産される瓦はそれぞれ三州瓦、石州瓦、淡路瓦と言い、その3つの総称を三大瓦と言います。

本記事で紹介した素材ごとの種類とは別で、粘土瓦には産地ごとに種類わけがされておりそれぞれに名称があるのです。

産地ごとに特徴があり、以下の記事で取り上げているためぜひ併せてご覧ください。

【瓦の種類ガイド】産地ごとに魅力も異なる瓦の特徴を紹介
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まとめ

一言で瓦と言っても、素材が異なると見た目も耐久性も価格帯も大きく異なります。

素材ごとの特性をよく理解して、ご自身の好みや生活スタイルに合うものを選ぶことが大切です。

価格に関しては施工業者によっても大きく変わると思います。

瓦屋根の素材を悩まれた際はぜび屋根屋さん・瓦屋さんに相談してみてください。


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