屋根には寿命があります。
寿命を迎えた屋根は部分補修を行ってもまたすぐにトラブルが起こる可能性が高いため、リフォームを行うことがおすすめです。
こちらの記事では、屋根のリフォーム方法のひとつ「カバー工法」について、人気の秘訣や注意点を紹介します。
同じく屋根のリフォーム方法である「葺き替え」との違いにも触れています。
屋根のリフォームを検討している方はぜひ参考にしてください。
屋根の寿命は屋根材によって異なる
屋根が寿命を迎えたら、と記載しましたが屋根の寿命は使用する屋根材に大きく左右されます。
もちろん気候なども寿命を決める要因になるものの、影響が顕著な要因が屋根材の種類です。
耐用年数の長い屋根材を使用し適切なメンテナンスを行っていると、屋根の寿命は長くなります。
寿命の長い屋根材の代表例は、瓦やガルバリウム鋼板(石粒付き鋼板)です。
瓦の耐用年数は50年以上、ガルバリウム鋼板25~40年程(ガルバリウム鋼板の中でも石粒付き鋼板という種類に至っては30~50年程)あります。
石粒鋼板については、以下の記事で詳しく紹介しています。
![](https://www.teppen-reform.com/wp-content/uploads/2024/02/bc0e23c15817fd75ac3e1fd7342b2381-160x90.jpg)
カバー工法によるリフォーム
カバー工法とは
カバー工法とは、既存の屋根材の上に新たな屋根材を重ねるリフォーム方法です。
既存の屋根材にある棟や雪止めといった突起物のみ除去して、防水シートを貼ります。
その上から新たな屋根材を重ねて施工します。
屋根に屋根を重ねるような形です。
葺き替えとの違い
葺き替えはカバー工法とは異なり、既存の屋根材をすべて撤去してから新たな屋根材を施工するリフォーム方法です。
既存の屋根材を撤去するため、下地に腐食等の劣化が発生していた場合は補強や交換ができます。
既存の屋根材の撤去工事の手間が増える代わりに、屋根全体のメンテナンスが叶います。
そのため屋根の寿命を伸ばすという観点においては、葺き替えの方が高い効果を期待できます。
カバー工法が人気の理由
費用・工期が抑えられる
既存の屋根材の撤去工事が不要であるため、リフォーム工事の費用・工期ともに抑えることができます。
既存の屋根材を撤去する場合工事費用だけでなく建材の廃棄費用もかかるため、費用に関しては特に大きなメリットと言えるでしょう。
防水性を向上させられる
既存の屋根材の上から防水シートを重ねるため、防水シートは計2枚貼られることとなります。
そのためカバー工法を行うことで大幅に防水性を向上させることができます。
遮熱性・防音性を向上させられる
屋根材が二重になるため、その分熱も音も伝わりづらくなります。
元々熱や音を伝えやすいガルバリウム鋼板屋根を採用している住宅では、効果を感じやすいかもしれません。
![](https://www.teppen-reform.com/wp-content/uploads/2024/02/fecb487d84175917896c050d071422b6-160x90.jpg)
カバー工法の注意点
屋根材によっては行えない
カバー工法は屋根材を重ねる方法につき、重い屋根材を使用した屋根には行うことができません。
屋根の重量が増して住宅への負担が大きくなりすぎてしまうためです。
そのため瓦屋根にはカバー工法を行えません。
ガルバリウム鋼板屋根やアスファルトシングル屋根、スレート屋根にはカバー工法が行えます。
新たな屋根材としては特にガルバリウム鋼板とアスファルトシングルがおすすめです。
屋根の劣化具合によっては行えない
屋根材以外にも、カバー工法を行える条件があります。
それは屋根の劣化が進み過ぎていないことです。
屋根、特に下地の劣化が進んでいる場合はカバー工法ではなく葺き替えを行う必要があります。
カバー工法では下地の補強や交換ができないためです。
劣化具合に関しては素人による判断が難しいため、専門業者へ依頼して状態を確認してもらってください。
まとめ
屋根のリフォームとして「カバー工法」は近年人気が高まっています。
人気の秘訣は、費用を抑えられる点が大きいでしょう。
既存の屋根材を撤去しないため、撤去工事および建材の廃棄費用がかかりません。
費用を抑えつつ防水性や遮熱性、遮音性を向上させることができる屋根リフォームとして人気です。
ただしカバー工法は万能ではなく、瓦屋根や劣化の進んだ屋根には行うことができません。
これらに関しては、リフォームの際には「葺き替え」を行う必要があります。
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