瓦屋根の棟の漆喰は劣化する!対処方法を解説

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瓦は非常に丈夫なため劣化することがほとんど無く、耐用年数50年以上と言われています。

そのため瓦自体の交換や修繕は滅多に発生しませんが、瓦棟や屋根全体がメンテナンス不要なのかというとそうではありません。

理由のひとつが、棟瓦を固定している漆喰の劣化です。

瓦屋根に使用される漆喰は経年劣化によりひび割れや欠けを起こすことがあり、定期的なメンテナンスや修繕を要します。

本記事は漆喰やその劣化、対処方法について説明している記事です。

漆喰の役割

そもそも瓦屋根の棟において漆喰がどのような役割を持っているかご存知でしょうか。

一つ目は瓦の固定です。

棟瓦と熨斗瓦の隙間を埋めて、瓦をしっかりと固定します。

二つ目は雨水の侵入防止です。

前述の通り隙間を埋めることで、雨水が棟の内部に侵入することを防ぎます。

三つ目は美観です。

実は昨今において漆喰の主たる役割はこの三つ目なのです。

現在の棟瓦は主に金属でできた金具で固定されているため、漆喰がなくても崩れたりすることはほとんどありません。

漆喰の劣化内容と原因

屋根棟の漆喰の代表的な劣化内容と原因を3つ紹介します。

欠け・ヒビ割れ

漆喰は施工時は湿っていて、その後数ヶ月かけて乾燥させます。

乾燥すると硬化するため、乾燥収縮や建物の微振動、台風などで欠けやヒビ割れが発生することがあります。

漆喰の欠け・ヒビ割れでは大きな不具合が発生することはありませんので、基本的には補修する必要はありません。

変色・コケ

漆喰は経年劣化で黒っぽく変色することがあります。

漆喰に生えているカビやコケが原因で、一度生えてしまうと漆喰の中に根を張り、漆喰の表面についた雨水を吸い上げてしまいます。

これは漆喰の奥にある葺き土に雨水が浸入しているために発生する現象です。

この雨水浸入は将来的には雨漏りするリスクとなります。

剥がれ

葺き土へ雨水が浸入しての乾燥湿潤の繰り返しや建物の微振動などで葺き土と漆喰の間に隙間が発生し、やがて漆喰が剥がれ落ちてきます。

漆喰の剥がれは1ヵ所ずづ徐々に発生するため、数カ所漆喰の剥がれが発生していてもすぐに雨漏りするというものではありません。

悪徳訪問業者が「すぐに雨漏りして大変なことになる」と煽ることがよくありますが、緊急性は少ないので、落ち着いて瓦屋根専門業者に相談しましょう。

棟瓦に関する悪徳被害については、以下の記事で詳しく記載しています。

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漆喰の剥がれへの対処方法

修繕内容は剥がれの進行度合いによる

屋根の漆喰の経年劣化が軽い場合は、漆喰の塗り直しのみで補修することが可能です。

まずは劣化した漆喰の除去を行い、葺き土が見える状態にします。

その後、葺き土を覆うように漆喰を塗り込み乾燥させるだけで完了です。

しかし、築年数が古く耐震性に問題のある旧式の施工方法のままの棟の場合は、耐震性に優れた現在の施工方法で取り直しすることをお勧めします。

詳しくはこちらをご覧ください。

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定期的なメンテナンスが大切

不具合が起きた際に正しく対処することはもちろん大切ですが、不具合が小さいうちに発見し小規模な修繕で済むようにすることも非常に大切です。

修繕が小さく済めば、当然工期も短く費用も少なく抑えることができます。

不具合の早期発見に必要なことが、定期的なメンテナンスです。

漆喰の劣化はおおよそ10年で始まると言われており、漆喰だけでなく屋根の他の部材の耐久性を加味しても、10~20年に1回はメンテナンスをすると良いでしょう。

想像より少なく感じた人もいるかもしれませんが、まさにその通りで瓦屋根はメンテナンスや修繕の頻度が少なく済む傾向にあるのです。

これは、瓦の耐久性の高さに起因しています。

イニシャルコストは高くなりやすいですが、ランニングコストを抑えることができ、トータルでのコストを抑えることも可能です。


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